学会長挨拶

常葉大学 健康科学部

加藤 倫卓

近年、理学療法士の活動領域は、求められるニーズと共にスピード感を伴って広がりをみせて来ました。同時に、科学的根拠に基づいた理学療法の確立と効果検証が強く求められており、それに対応すべくこれまでにスペシャリストの養成を目的に理学療法の各分野における分科学会が設立され、専門領域に特化した理学療法は大きな発展を遂げてきました。

一方では、高齢者の増加に伴う地域包括ケアシステム構築に向けた流れの中で、理学療法士は介護予防や地域ケア会議への参画が期待され、複合的に疾患を併せ持つ高齢者に対して、幅広い視野を持って理学療法を実施することが求められています。そのような状況の中、基本的理学療法の広い領域を実践できる人材(ジェネラリスト)の養成が再認識されてきており、2021年には新たな生涯学習システムの開始も予定されています。このような流れの中、教育的な側面を併せ持つ本学会においても、その立ち位置を随時再考していかなければなりません。

本学会は、理学療法の“あらゆる領域”における経験に学問的裏付けを与え、最新の理学療法のエビデンスを“幅広く”提供することにより、高い精度且つ効果的な理学療法を以って県内の医療、保健及び福祉に寄与することを目的としています。言い換えますと、まさにジェネラリスト養成の機会を提供し、広範囲かつ基本的(ジェネラル)な理学療法の実践に貢献する学びの場となると確信しております。

なお、本学会のテーマは「理学療法士におけるserendipity(セレンディピティー)」と銘打ちました。セレンディピティーとは「目的を遂行する中で起こった偶然がきっかけで,目的以上に素晴らしい発明や発見をすること、あるいはその能力」です。過去を振り返りますと、レントゲンによるX線の発見やフレミングによるペニシリンの発見などはセレンディピティーの典型例であります。一方で、セレンディピティーは「常に新しいものを取り入れ、かつ幅広い見識をもった者にのみ訪れる」とされています。本学会に参加し、意欲的に様々な領域に触れ、また異なる分野の臨床家および研究家と交わることで、思いがけない閃きや新たな発見があることを期待しています。

開催は東京2020オリンピック直前の2020年6月20日(土)・21日(日)です。日本中が熱気に包まれる中、準備委員一同、鋭意準備を進めて参ります。一人でも多くの皆様にご参加いただきたくお願い申し上げます。

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