学会長挨拶

第22回静岡県理学療法士学会
学会長 矢倉 千昭

現在、高齢者が生きがいや役割をもって住み慣れた地域で生活ができることを実現するため、地域包括ケアシステムの構築が進められています。本学会が開催される2018年は、診療・介護報酬の同時改定とともに医療・介護制度改革が行われ、病床の機能分化と連携、在宅医療、介護連携などの地域支援事業が推進されていきます。高度急性期から生活期まで、理学療法士の役割はますます多様化し、高度な専門知識と技術がさらに求められます。

理学療法士には、専門領域で高度な理学療法を提供できるスペシャリストだけでなく、地域で多様な疾患と障害を有する対象者に生じた異常を早期に発見し、迅速かつ的確に対応できる、また多職種と連携・協働して理学療法を提供できるジェネラリストとしての側面がますます求められます。本学会では、このような時代の理学療法士に必要な『みる力』をテーマとし、キーワードとして観察力と思考力に着目しました。

観察力は、専門職者としての姿勢、動作観察はもとより、対象者の体調変化、対象者や家族、医療・介護スタッフの心理状態の把握と関係構築にも必要となります。一方、思考力では、臨床推論による問題解決として、直感的思考と分析的思考の使い分けと相補的な統合が行われています。臨床実習や新人教育では分析的思考を重視した指導が行われていますが、柔軟性かつ独創性のある理学療法を創造するうえで直感的思考の醸成も重要視されています。

第22回静岡県理学療法士学会では、若手理学療法士の新たな時代に対応できる力を育み、そのために必要な『みる力』を中堅・ベテラン理学療法士が伝える学会にしたいと考えています。また、静岡県の皆さまの健康増進やスポーツ障害予防に必要な『みる力』を高める市民公開講座も企画しています。2018年6月24日(日)、「アクトシティ浜松コングレスセンター」にて皆さまのご参加をお待ちしております。